歌舞伎情報 2010年 2月26日〜3月5日
とき 2010年3月6日(土曜日)〜26日(金曜日) ・・・<出演の為東京入りしております南左衛門からの情報を ************************************************************************************ 「3月5日(金曜)快晴 おはようございます!さぁ、本日はいよいよ本公演前日となりました。 日生劇場へ午前11時入り。そして、昨日が「第一幕」を稽古しましたので今日は後編の「第二幕」。で、その後初日通りの通し稽古を致します。 とにかく、もう皆さん、一人一人舞台で演じられているその姿形、格好いいです。 去る2月26日紀尾井ホールにて読ませて頂いた講談「細川の血達磨」が正に立体的になって、講釈よりも分かりやすく面白くなってますので、是非お見逃しなくご来場下さいますようお願い申し上げます。 「それでは、これで本日の稽古、とります」と染五郎さんの声で終了したのが午後10時頃でした。明日の初日…「火事場」の所を今一度お稽古をと午後1時から徹底して行います。 私こと南左衛門。染五郎さん 貴方の為なら例え火の中水の中でもお供致します! 南左衛門拝」 ********************************************************************************************** 「3月4日(水曜)曇りのち雨、気温低し。 さぁ、今日から本公演のある日生劇場にて本公演初日同様の衣装もメイクも舞台の転換も本番さながら第一幕を稽古する。役者さん達をはじめとして台詞を発しながらの場当たり…どう動きをとりながら、それぞれの役柄の皆さんがどこへ出て、どこへはけ、またどこから舞台へ登場するか。時間をかけじっくりと身体に覚え込ませていく。 舞台の裏というのは、暗くてとても危険が伴うんです。ですから今日は午前11時より舞台において「安全祈願修祓式」が行われました。午前12時30分から午後の五時頃まで「第一幕」を入念にチェックをしながらじっくりと稽古がなされた。まぁ、役者の皆さん本公演の衣装かつらを身につけられ格好がいいんです。様になっているんですね。 中でも私の楽屋の向かいに楽屋のある市川春猿さん。一言「抜けて綺麗!」 そして、今日はこの後午後7時50分より「細川屋敷炎上の場」を…ここは、主役・大川友右衛門役の市川染五郎さんと私こと旭堂南左衛門の二人で勤める見せ場である。 私にとっては大役で。全身全霊で立ち向かわなければならないやりがいのある所です。稽古終わりに染五郎さんの顔を見ると、額に玉の汗が光っておりました。勿論、私の方も釈台を張り扇をパパンパンと叩きながら立板に水の如く、修羅場調でおもいっきり演りますので汗もぶっ飛んで出てくる次第。 でまぁ、この場の舞台と客席は一つとなり、お客様は正に火事場の真っ只中にいる臨場感を楽しんで頂けるに違いございません! どんな事をするのかって?おっと!これ以上申し上げると松竹さんから叱られますので、堪忍して下さい。 この事、どうしてもお知りになりたい方は、いよいよ明後日6日が初日でございます。千秋楽の26日までの21日間において全37公演ございます。今直ぐにチケット予約をして頂きまして、是非ぜひご来場下さいますよう、隅から隅までズズ、ズイ〜と、おん願い上げたてまつりまする〜! 本日もお稽古、お疲れさまでございました! ************************************************************************************** 3月3日(水曜) 今日は午前11時からの「総ざらい」の稽古。 市川染五郎さんは、この日東劇での稽古を終えると、日生劇場に入られ「細川屋敷宝蔵炎上の場」の衣装を着けての場合わせをされる。こうして稽古をしている間をぬって、自身のお稽古もされながら、この度の「染模様恩愛御書」の宣伝告知をテレビなどに出演されている。頭が下がります。 一体どこからそんな力が湧いてくるのか?何か体力造りをされているのか?去る2月26日の紀尾井ホールでの会の鼎談の折りに伺いましたら「何も体力造りはしていない」と。「歌舞伎を勤めているのが今の体力、健康を維持している」と仰いました。なんと仕事一途でこのパワー! 「天晴れ、大川友右衛門!」と申し上げたくなりました。そして、その友右衛門と恋仲で義兄弟の契りを交わす、お小姓・印南数馬役の片岡愛之助さんは、スポーツジムに行って体力造りをされているそうです。 さて、明日からは公演会場となる日比谷は日生劇場にて衣装もメイクも本番さながらにして舞台稽古がなされます。 今日は通し稽古が終わると この日から日生劇場の楽屋が使えると聞き、私はその足で銀座駅から日比谷線で日比谷駅へ向かいました。駅を出ると、ほん近くに日生劇場があり 前には日比谷公園があり皇居も見える。 楽屋入りすると、講釈師には無くてはならない釈台を置かしてもらい、稽古用の着物なども置いて、帰りは徒歩にて晴海通りを先ず歌舞伎座目指して行き、昭和通りを越え、築地川に架かる萬年橋を渡り、新大橋通りを越え鉄のアーチの勝ちどき橋が見えてきたらもうホテルである。 明日も精進します。 南左衛門拝
「3月2日(火曜) 今日は随分前から決まっていた仕事で三重県は伊賀市立丸山中学校での「古典芸能鑑賞会」に出演すべく、お芝居のお稽古は外して頂いた。 東京から新幹線 で先ず名古屋へ行き、此処からは近鉄特急にて伊賀神戸駅まで。 ここで他の出演者、落語家の笑福亭仁嬌さんと林家卯三郎さんらと合流。学校へと車で向かう。懐かしい学校の匂いを先ず感じながら校長室ならぬトロフィーや盾が沢山収められた部屋へ案内され楽屋として使わせてもらう。 会場は天井の高い体育館。そこに丸山中学校の生徒さんとPTAの皆さんに先生方が200人強くらい揃って頂いていた。 それぞれに本芸を披露し、最後は咄家さんが持って来た昔懐かしの大道芸・南京玉簾の披露と生徒さん達にも参加してもらってこの玉簾を体験してもらおうというコーナー。 私、講釈師も参加させて頂き玉簾を演らせてもらった。簡単な「白帆の船」から「夢の架け橋」「東京タワー」などを披露。すっかり楽しませてもらった。 その後生徒の皆さんを代表してお礼のご挨拶がありその上伊賀市の名産のお菓子の詰め合わせを頂戴した。なんともほのぼのとした会であった。 私はここで先生のお一人にこの度の「染模様恩愛御書」のお芝居のチラシを渡すとともに、皆さんに宣伝をして頂き、合わせて舞台上でも来たる三月六日から始まる「染模様恩愛御書」の宣伝をさせてもらった。こうなれば所かまわずである。 こうして無事に終え東京は銀座に帰って来た時には午後の8時を回っており、既にこの日の稽古場である東劇の稽古場のシャッターは閉まっていた。皆さん、お疲れさまでした! 南左衛門拝 ********************************************************************************************** 「3月1日(月曜) 私はなんと言ってもフィギアスケートの浅田真央選手を応援していたんですが…いや、素晴らし 最高の舞台で最高の力を発揮する。浅田真央は素晴らしい!そして、オリンピックは本当に面白い! 深夜も中継があり、テレビに釘付け。目に隈が出来る日々が続きました… 隈(くま)、隈取りと言えば、歌舞伎。お待たせ致しました! さて、本日のお稽古は午前11時から始まりました。歌舞伎の稽古場は常に床の上。役者の皆さんはそれへ座布団を敷くこともなく正座をして稽古をこなしていく。これは結構、足にこたえるんですよね。それを当たり前のようにして、殊に若手は先輩の演じる様を食い入るように見入り勉強をしている。当然の事と言われてはそれまでですが。私はこの稽古風景を見て、身体がジ〜ンとして、とても嬉しい気持ちになる。こうあららねば 弟子たちにもこの空気を吸わしてやりたいと思いました。それから、これも当たり前の事と役者の皆さんから笑われるかもしれませんが、声が良い!とても響いて通る声。出せるものではないですよ、この声。聞かせてあげたいです。 学ぶことの多い歌舞伎の世界。今日もお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。」 南左衛門拝
三月花形歌舞伎「染模様恩愛御書」に向けての近況報告 (3)「2月28日(日曜) さて、今日のお稽古は午後の4時からなので、私の方は本当にゆっくりさせてもらいました。お昼過ぎに急に思い出したが如く「富士そば」の蕎麦が食べたくなりJR新橋駅近くで店を見つけ、至極の幸せを感じる。東京へ来るとパブロフの条件反射の如く蕎麦が無性に食べたくなる。 蕎麦の話はさておき、 私も釈台を前に何度笑わせてもらった事か。合わせて市川欣弥さんも役どころの大坂屋芳蔵がとてもおかしい。英語で受け答えをする?!…おっと、ここまでしかお教え出来ません。 こちらは3月6日から上演される「染模様恩愛御書」へ是非ご来場して頂きお楽しみください。 私が個人的に凄いなぁと思う役者さんが横山図書の奥方いよ役と大川友右衛門の妹・きく役の二役を努める中村芝のぶさん。とにかく女形として台詞がたつ。小気味よい台詞運び。 本日のお稽古、午後8時頃終了。お疲れさまでございました!また明日もよろしくお願い致します。」 三月花形歌舞伎「染模様恩愛御書」に向けての近況報告 (2)「さて一昨日、暖かな春の雨ふる如月26日(金曜)午後6時30分開演の東京は四ツ谷・紀尾井ホールでの「日生劇場三月花形歌舞伎「通し狂言・染模様恩愛御書」記念イベント「講談・細川の血達磨」… また当日は、これは偶然だったのですが、同ホールの音楽コンサートへおいでになった神田愛山兄さんがポスターをご覧になり「南左衛門が出ている?!」と驚かれ、楽屋見舞いに来て下さいました。 鮪などの炙り、にぎり寿司、大トロホッケ鱚の天ぷら、牡蠣フライ等々。午後の10時頃から午前2時過ぎまで、南青と明日の上方講談界の事を熱く語り合った次第…嘘です(笑) 次の日27日(土曜)午後1時からお芝居のお稽古があり、通し稽古でしたので終了したのが午後7時を回っていました。この日は昨日とは変わり冷たい
雨の日でした。 勿論、大変お世話になった演出の奈河彰輔先生、脚本の今井豊茂先生はじめ松竹株式会社の皆さん。とにかく規模が大きいので沢山の方々がおいでになり、不細工にも一度ご挨拶をしているのに二度三度重なるという。といってご挨拶漏れの方ありと…申し訳ない限りの初日のお稽古でした。 殊に、前もそうでしたが偉いなぁと感心させられるのが座頭の市川染五郎さん。 性根入れて頑張らねば!」 三月花形歌舞伎「染模様恩愛御書」に向けての近況報告(1) 「昨日26日は東京は四ツ谷にある紀尾井ホールにて、来たる3月6日から26日の このお芝居は講談にもあって、我々講談の方は、明治大正の時代に「血達磨物」として大変人気がある読み物でありました。 この後<中入>があり、この中入後、市川染五郎・片岡愛之助の両の東西の二枚目役者と私… そしてこの後、お芝居でも見所となる細川邸炎上の場のある「細川の血達磨・後編」を聞いて頂き、お開きとなる。
|